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読みもの / WordPressの安全と乗り換え

静的サイトはなぜ安全なのか|WordPressとの違いを、ページが表示されるまでの流れで図解

2026年10月24日

静的サイトはなぜ安全か。ページを組み立てない、入口が少ない、守る部品が少ない

静的サイトは、できあがったページのファイルを置いて、そのまま見せるだけのホームページです。WordPressのように、見に来た人がいるたびにサーバーの上でプログラムを動かしてページを組み立てることをしません。

プログラムが動かないので、プログラムの弱点を突かれることもありません。この記事では、その違いを3枚の図で説明します。静的サイトにしても残る心配と、向かないサイトも書きます。

WordPressと静的サイトの違い:ページが表示されるまでの流れ

いちばん大きな違いは、ページをいつ作るかです。WordPressは、見に来た人がいるたびにページを作ります。静的サイトは、公開する前に一度だけ作っておきます。

WordPress(動的サイト) 見に来た人がページを開くと、サーバーの中で歯車が回り、データベースから部品を出して、作業員がページを組み立てている絵
見に来た人ページを開く
サーバーの上で、毎回これをする
① PHPというプログラムが動く② データベースから記事を読む③ ページを組み立てて返す

見に来た人がいるたびに、①〜③が動きます。

静的サイト 見に来た人に、棚に積んである作り置きのページを1枚そのまま手渡している絵
見に来た人ページを開く
置き場所から、できあがったページを返すだけページは公開の前に作ってある。プログラムもデータベースも動かない

紙に印刷したチラシを、そのまま渡すのに近い形です。

WordPressは「注文が来てから作る」、静的サイトは「作り置きを渡す」。

WordPressのこの作りは、便利な面もあります。管理画面で記事を書けば、すぐにサイトに出ます。会員だけに見せるページや、ネットショップも作れます。その代わり、サーバーの上でプログラムがいつも動いている状態になります。

静的サイトが安全な理由:狙われる入口が少ない

ホームページが乗っ取られるのは、外から何かを送りつけられたときに、サーバーの上のプログラムが思わぬ動きをしてしまうからです。WordPressのサイトには、その入口がいくつもあります。

WordPressのサイトにある入口

ドアや窓がたくさんある家。いくつかは少し開いていて、覆面の人物がドアの取っ手を試している絵
  • 1ログイン画面(だれでも開ける)
  • 2管理画面
  • 3プラグイン(入れた数だけ増える)
  • 4テーマ
  • 5PHP(サーバーのプログラム)
  • 6データベース
  • 7問い合わせフォーム

静的サイトに残る入口

壁だけの頑丈な建物に、盾の印のついた小さな窓が1つだけある。覆面の人物は開けるところが見つからず困っている絵
  • ―ログイン画面
  • ―管理画面
  • ―プラグイン
  • ―テーマ
  • ―PHP
  • ―データベース
  • 1問い合わせフォームの受け口(小さなプログラム1つ)
静的サイトにすると、サイトの側に残る入口は、フォームの受け口くらいになります。

WordPressの弱点のほとんどは、本体ではなくプラグインから見つかっています。WordPressのセキュリティを調べている Patchstack の報告では、2025年に見つかった WordPress まわりの弱点 11,334件のうち、91%がプラグイン、9%がテーマで、本体は6件でした。プラグインを入れるほど、入口は増えます。

静的サイトには、プラグインもログイン画面もありません。乗っ取ろうとしても、動かせるプログラムがほとんど無いのです。

2026年10月のPHPの脆弱性で、何が違ったか

左:PHPが動くサーバーは、弱点が見つかると修正を当てるまで止めることもある。右:静的サイトの置き場所には、PHPがそもそも無い。

2026年10月21日、PHPに重大な弱点が2つ公開されました(CVE-2026-109618/CVE-2026-109619)。ログインしなくても、外からサーバーの上でプログラムを動かされてしまうおそれのある弱点です。アメリカのサイバーセキュリティの機関(CISA)は、すぐに修正版へ更新するよう呼びかけました。

レンタルサーバーのロリポップ!は、修正を当てるために、一部のサーバーでお客さまのサイトの表示を10月22日の3時9分頃から13時頃まで止めています。同じサーバーにあれば、PHPを使っていないサイトも表示できなかったと書かれています。

静的サイトの置き場所では、PHPそのものが動いていません。この弱点で、ページを止めたり急いで更新したりする必要はありませんでした。

更新のしかたの違い:静的サイトは「直して、組み立てて、公開」

静的サイトにも苦手なことがあります。管理画面が無いので、記事を足すときの手順が変わります。

WordPress
管理画面で書く
「公開」を押す
すぐサイトに出る
静的サイト
手元のファイルを直すまたは、記事を書く画面のサービスで書く
ページを組み立て直す数秒
置き場所へ送るこのサイトでは15秒ほど
手順は増えますが、どれも自動にできます。記事を書く画面だけを別のサービスに置く方法もあります。

お店の人が毎週のように自分で記事を書きたい場合や、ネットショップ・会員ページ・予約の管理がある場合は、静的サイトに向きません。どんなサイトなら移しやすいかは、移す手順の記事(前編)の最初に判定の表をまとめました。

静的サイトでも残る心配

静的サイトにしても、次の3つは気をつけ続ける必要があります。

残る心配手当て
問い合わせフォームの受け口小さなプログラムが1つ残ります。確認コード・回数の上限などで、いたずらの送信を止めます
置き場所のアカウントの乗っ取りログインを奪われると、サイトを書き換えられます。二段階認証をパスキーやセキュリティキーにします
ドメインの管理ドメインの登録会社のログインも同じように固くし、更新の期限を切らさないようにします

どれも、サーバーの上で動くプログラムの面倒を見続けることに比べれば、ずっと小さな手間です。

実際に静的サイトへ移す手順

このサイト(かりぬいホームページ)も、2026年10月に WordPress から静的サイトへ移しました。そのときの画面とコマンドを、2本の記事にしています。

出どころ

いまのホームページを、つくり直した見本でお見せします。

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